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台北在住の筆者(早川友久)が、台北に残された日本統治時代の古蹟や遺構をはじめ、台湾に関わる記事を掲載します。


by ritouki

李登輝元総統と野口健さん(アルピニスト)の対談に同席

 アルピニストとして知られる野口健さんは、登山の一方でアジア各地に眠る日本兵の遺骨収集活動にも力を入れられています。
 この2月、野口健さんが台湾を訪れ、私がご案内して日本兵として出征した台湾人の方や高砂族の方にインタビューを行いました。野口さんは遺骨収集の過程で、戦時中は多くの台湾人も日本兵として出征し、散華されている方も少なくないことを知り、もっと学ばなくてはという想いで台湾を訪れたのです。

 そして、今回は日本李登輝友の会の仲介により、李登輝元総統との対談が実現することとなって再び台湾にいらっしゃったのです。対談は桃園県大渓にある元総統の別荘で行われました。元々は台北市内のご自宅でという予定だったのですが、元総統は「野口さんのためにどんな話をすればよいか」を熟慮するため、わざわざ週末を別荘での準備期間に充てたそうです。日本の若い世代(野口さんはまだ30代)が遺骨収集活動に熱心に取り組んでいるだけでなく、台湾に関心を持ってくれたことに対しても、元総統は大変嬉しそうでした。
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 午後2時半から始まった対談は3時間近くに及び、李登輝元総統はこれからの日本にあるべき指導者像や、日台関係について熱く語られました。
 かくいう私も野口さんと同じ30代。野口さんのような、日本を、そして台湾を憂う若いリーダーが出てきてくれたことは弟分の私としてもとても頼もしく感じています。
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 対談の模様は9月発売のPHP『Voice』誌に掲載されます。今回の対談が行われたのは、奇しくも李登輝元総統にPHP研究所の江口克彦氏(当時)がインタビューして作り上げた『台湾の主張』の取材場所と同じ、別荘の地下フロアでした。

 その後、元総統には書庫も見せていただきました。画像はそのほんの一部。まるで図書館のような蔵書量こそが、哲人政治家・李登輝のバックボーンになったのでしょう。
 この対談の模様については、野口健さんのブログにも掲載されています。
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by ritouki | 2010-07-19 23:23 | イベント