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by ritouki

李登輝元総統の南部視察に同行 1日目

 4月末に行われた第17回・日本李登輝学校台湾研修団でのこと。李登輝学校を運営する群策会の王燕軍秘書長から「来月、総統の南部視察に随行するか?」と聞かれ、即座に「連れて行って下さい」とお願いした。それに先立つこと2週間ほど前の4月18日から、李登輝元総統は「南部ホームステイ」と銘打って、屏東や高雄の視察に赴いたのだ。

 その際のメディアの報道で、引き続き台湾各地をめぐる「台湾一周の旅」が計画されているとは目にしていたが、翌月には次の視察に向かうとは思ってもいなかった。総統は、大腸癌によって昨年末に開腹手術を受けたばかりなのである。

 とはいえ、李登輝版「台湾紀行」にお伴するのは願ってもないことなので、結果的にカメラマンとして随行することになった。今日はその一日目である。

 総統は台北発13時36分の台湾高速鉄道(台湾新幹線)に乗車し、嘉義へと向かう。南部視察には台湾のメディアも同行取材している。

 15時ちょうどに嘉義駅へ到着。今回の南部視察には、本会の台湾側カウンターパートである李登輝民主協会理事の張粲鍙さんらが台北から同行。張さんは元台南市長である。嘉義駅からは車で移動し、まずは「台湾蘭花科技園区」内にある「東方蘭花事業集団」を視察する。
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 園区では、頼清徳・台南市長、頼美惠・台南市議会議長、黄崑虎・元総統府国策顧問らが出迎え。歓談した後、東方蘭花事業集団の責任者、林明星さんの案内で蘭を栽培している温室の見学に向かった。
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 その後、台南市後壁区菁寮村を訪問、黄崑濱さんを訪ねた。前出の黄崑虎さんと一字違いだが縁戚関係はない。黄崑濱さんは2004年に公開された米作に従事する農民の日常を描いた台湾映画「無米楽」のモデルになった人である。
 ご自身も農業経済学博士の李登輝元総統だけに、常人よりも農業への想いは深い。話しは農業、特に米のことに終始したが、総統の口からは烏山頭ダムを築いた八田與一、蓬莱米の父と呼ばれた磯永吉と末永仁など、日本時代に台湾の農業に大きく貢献した先人たちの名前が挙げられた。

 その後、菁寮老街を30分ほど掛けて散策。元総統が、おらが村に来るということで、まるで村じゅうの人々が集まったかのような騒ぎであった。
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 夕方からは、地元の農民たちに向かって演説。100人ほどの農民が押しかけた。
 「40年前、一人が年間に食べる米の量は約135キロだった。現在は30キロにも満たない。若い人たちがダイエットのあまり、米を食べないため、米の販路が狭まってきているのだ。稲作を他の方法と組み合わせることは出来ないか。もし観光と農業を組み合わせることが出来るなら、農業にとって新たな道が開けるだろう」と述べ、映画「無楽米」によって人気の観光老街となった菁寮の街にエールを送った。

 また、昨今の物価上昇によって生活に影響が出ることについて「街へ出てデモをしたっていいじゃないか。それが民主主義というものだ」と述べ、国民が声を挙げることを望んだ。
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 演説後、近くの有機栽培の稲田を見学。さすがに農業経済学者らしく、大きく関心を持った様子で農民の説明に聞き入っていた。
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 夜は18時半から、台南市長・台南市議会議長共催の歓迎宴に出席。出席者からサインを求められたり、写真に収まるなど、忙しい一席となった。
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 宴席も終わり、今日のスケジュールは終了。総統は血色も良く、演説も以前にも増してパワフルで、開腹手術から数ヶ月とは思えないほどの復活ぶりだ。今後一連の視察を通じて「李登輝復活」がアピール出来ればこの上ないことだろう。
 今宵、一行は台南市柳営区の南元農場に宿泊。明日は烏山頭ダムを見学後、嘉義市内に移動する。
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by ritouki | 2012-05-16 23:19 | イベント