盧千惠さん「古跡音楽会と日本からのお客様」
2012年 10月 01日
下記は日本語に訳したものです。
9月29日、福島県から台湾へ感謝の気持ちを伝えるためにやって来た19名の皆さんをお連れして台中は新社にある白冷圳を見学し、続いて台南の後壁へ向かい「古厝中秋節音楽会」に参加してきました。
後壁の黄崑虎さんが主宰する「台湾友の会」は、大地震と津波が日本を襲ったとの報が流れるや否や、即座に募金の号令を掛け、200トンにもおよぶ支援物資を被災地へと送り届けました。ですから、日本からはるばるやって来た皆さんが直接、黄さんやたくさんの台湾の人々に御礼を申し上げる良い機会だと考えたのです。
台風が月に舞台を譲ってくれたのか、夜空を照らす月の光はあたかも台湾の善良なる人々を祝福するかのようでした。「音楽会」に参加した1500もの聴衆は、揃って音楽に耳を傾ける感動と喜びを分かち合ったのです。日本からお越しくださった平野さん三姉妹が奏でた津軽三味線の音色は満堂の喝采を浴び、三姉妹も「雨夜花」を歌って応え、「謝謝台湾」「台湾がんばろう、日本がんばろう」と感謝の気持ちを伝えてくれました。
家路につく車に揺られながら思ったのは、台湾の人々がかくも長きにわたり築きあげてきた日本との深厚な友好関係が、今般の尖閣諸島事件によって、あたかも中国の意のままにされたかのように傷つけられたこと、そして政府までも人々がコツコツと築きあげてきた友好という名の財産を喰んでいることでした。
台湾の漁船が中国の船に襲われた時、遭難した時、緊急の病人が発生した時、日本の海上保安庁は台湾側の要請に応え、即座に救助に向かってくれたと聞きます。台湾は、駐日代表を日本に戻し、正々堂々日本政府と交渉させるべきであって、漁民たちに冒険させるべきではありません。
名月を仰ぎ見ながら、世界に平和が訪れるのを願うとともに、台湾人が台湾人の国を持つことができることを祈る夜でした。