台北事務所の活動をお伝えします


by ritouki

台湾総統府の全館開放日

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 総統府の全館開放日と台北賓館の開放日は毎月同日に設定されています。

 総統府は、平日の午前中に参観することができますが、ガイドさん同行で、1階部分のみ。また、写真撮影も禁じられています。ただ、毎月一度の全館開放日には普段足を踏み入れることの出来ない3階まで入ることができ、写真撮影も自由です。さらに、通常は総統と副総統、そして総統、副総統に面会する賓客しか利用できない正面玄関から入館することができます。ですから、総統府と台北賓館、どちらか一方だけを見学するのでは非常にもったいないので、ぜひとも両方見学されることをおすすめします。
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 総統府も台北賓館も見学時間は午後4時まで。ホームページの案内を見ると「入館は午後3時30分まで」と記載されていました。台北賓館の見学を終えて出てくると、もうすでに3時半をまわっていたので残念!ところが、総統府の正面玄関を見ると、見学者がどんどん入っていきます。ダメモトで総統府北側の入口へ向かうと、身分証を提示して敷地内に入ることが出来ました。

 ちなみに、台北賓館の参観に身分証は不要ですが、総統府の参観には身分証が必要ですので、パスポートや居留証などの公的身分証をお持ちください(学生証などでは不可とされる場合があります)。また、総統府の全館開放日も、入口は通常の参観と同じ博愛路側の入口です。ここで身分証を提示して敷地内に入り、金属探知機の検査を受けた後、総統府正面の玄関側にまわります。

 総統府正面側に設けられたいくつかの入口にはそれぞれ憲兵が立ち、機関銃を構えて警備にあたっています。台北賓館とは異なり、ここは総統や副総統が執務する、いわば台湾のホワイトハウス。警備が厳重になるのも当然です。

 玄関を入って振り向くと、正面には台北のランドマーク、台北101ビルの雄姿が。目の前に広がる大通りは「凱達格蘭大道」。もともとは蒋介石の長寿を祈念するという意味の「介寿路」という名称でしたが、陳水扁元総統が台北市長時代に改称されました。「凱達格蘭」とはその昔、台北近辺に居住していた「凱達格蘭族(ケタガラン族)」という高砂族の名称にちなんでいます。
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 正面玄関を入ると、すぐに白壁が荘厳な雰囲気を醸し出す、吹き抜けのホールに出ます。玄関から階段までは大理石の床に赤絨毯が敷かれ、正面の中2階には孫文の銅像。そして左右に分かれた階段が3階へと続いています。
 中国人観光客が総統府を訪れると、孫文の銅像の前で記念写真を撮るのが定番とのことでしたが、閉館間近のせいか、かえって見学者も少なく、静かな空間でした。
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 総統府の前身は、ご存知の通り、日本時代の台湾総督府です。およそ7年の年月をかけて1919年(大正8年)に竣工。設計はコンペで選ばれた長野宇平治の案に、森山松之助が修正を加えるというかたちで行われました。長野は日銀本店などを設計した建築家、森山は台湾総督官邸(現台北賓館)の改修をはじめとして台湾各地の庁舎などを手掛け、台湾建築界の旗手となっていきますが、二人とも明治期に活躍した名建築家、辰野金吾の弟子にあたります。
 この総統府が上空から見ると「日」の字をしていることはよく知られていますが、実は朝鮮総督府も同じく「日」のかたちをしています。
 台湾の場合、それと同時に、日の字型をしていることで、中庭が作られ風通しを良くするという機能が重視されました。領台からすでに20年近くが経過していたとはいえ、熱帯病が恐れられ、衛生状態もまだ完全には改善されていなかった台湾ではまず「予防」に重点が置かれたため、風通しを良くして衛生を確保する必要があったとされています。また、総督府は日本の方角である東向きに建設されています。
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 3階部分は、総統が就任する際に宣誓を行う広間や、総統と来客が面会する応接室なども開放され、自由に見学することが可能です。午後4時の見学終了時間が迫り、人影もまばらな廊下には秋の柔らかな日差しが差し込んでいます。
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 通常の見学と同様、1階のパネル展示も見学が可能。日本時代からの歴代総督、中華民国が台湾を占領してからの歴代総統の写真とともに、台湾が歩んできた歴史が展示されています。
 李登輝総統のコーナーには、1996年に行われた台湾初の総統直接選挙の際に使われた選挙用チラシや、当選後の就任演説全部が図柄として施された壺などが展示されています。
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 私自身、何度も見学に訪れた総統府ですが、出掛けるたびに新しい発見があり、展示も定期的に変更されるので、見飽きることはありません。特に、全館開放日は普段入ることの出来ない場所も見学でき、ガイドさん抜きで自由に参観したり撮影したりすることができますので、ぜひ一度、全館開放日にお出かけになることをオススメします。

 総統府の公式参観案内はこちら。見学には、全館開放日も平日午前も必ず身分証が必要です。また、ビーチサンダルや、過度の軽装では入館を許可されませんのでご注意下さい。
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by ritouki | 2012-10-13 23:02