台北事務所の活動をお伝えします


by ritouki

カテゴリ:イベント( 387 )

本会台北事務所ブログは情報発信の利便性などを考慮し、Facebookへ移行することにいたしました。

ただ、これまで掲載した記事は継続するものとし、Facebookでの掲載に適さない資料や写真などについては、引き続き本ブログを利用するものと考えております。

引き続き本会台北事務所へのご支持をお願いいたします。

日本李登輝友の会台北事務所 Facebookページはこちら
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by ritouki | 2014-11-01 11:13 | イベント
 財団法人交流協会は6月17日、理事の改選を行い、樽井澄夫・台北事務所代表(駐台大使に相当)の退任と、後任として沼田幹男・前ミャンマー大使の就任を決めました。
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 樽井代表は2012年5月から約2年にわたり台北事務所代表を務められ、代表退任後は東京の交流協会本部で業務執行理事に就任されます。

 また、後任となる沼田幹男氏は1950年、茨城県生まれの64歳、拓殖大学商学部卒、チャイナスクール(中国語研修)出身。2011年、ノンキャリアからキャリア登用によって外務省初の局長に就任。香港領事、外務省領事局長、ミャンマー大使を歴任しています。

 沼田代表は7月15日付で着任。
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by ritouki | 2014-06-18 10:21 | イベント
 5月29日付の台湾紙「自由時報」に、「日本政府が台湾の弁護士資格を承認」という記事が掲載されました。

 これまで日本政府は「前例がない」「日本と台湾は国交がない」などという理由によって、台湾の弁護士資格を有していても、日本における「外国法事務弁護士」資格を認定して来ませんでした。

 「外国法事務弁護士」とは、外国の弁護士資格を持つ人を法務省が認定し、日本国内において法曹行為(弁護士活動)が出来るようにした制度です。この資格が認定されれば、諸外国の弁護士資格を有する人も日本国内で弁護士活動を行ったり、法律事務所を開設したりすることが可能となります。

 反面、この資格が認定されなければ、たとえ外国の弁護士資格を有していても、日本国内では弁護士資格がないとみなされ、一切の弁護活動が出来ません。

 実際、台湾政府は日本の弁護士資格を承認し、日本の弁護士が台湾国内で活動することを認めており、少数ながらも、日本の法律事務所が台湾へ進出しています。

 こうした状況は、日本人が台湾へ入国する際はノービザだったのに対し、台湾人が日本へ入国する場合はビザが必要とされた時期が長く続いたように、台湾に対して一方的に不利益を与えるものでした。

 しかし今般、台湾の弁護士資格が日本政府によって承認され、外国法事務弁護士資格が付与されたことにより、日台間の不動産売買や企業進出、大規模投資など、法律分野においてますます台湾人弁護士が日本で活躍する場が増えることになるかもしれません。

 以下は記事の抄訳です。
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 台湾出身の女性弁護士、孫櫻倩さんが一年半の努力と交渉により、ついに日本の法務省から正式に「外国法事務弁護士」として登録され、昨日(5月28日)午後、東京で宣誓が行われた。また、同時に日本弁護士会に加入する資格も得られたことで、今後、日本国内で台湾人弁護士が業務を行う道が開かれたことになる。

 孫櫻倩弁護士は、台湾大学法律系卒業後、東大で修士を取得。その後、日本最大級の弁護士事務所「西村あさひ法律事務所」に入所し、10年以上にわたって日台間の企業間投資や合併の案件に携わってきた。

 2012年末、孫弁護士は法務省へ外国法事務弁護士の登録申請を行ったが、日本政府は「これまで台湾の弁護士資格を認めたことがない」として申請を却下される。ただ、日本政府が却下としたのは「日本政府は台湾を承認していない」というのが本当の理由だったようだ。そのため、西村あさひ法律事務所では特別対策チームを結成し、孫弁護士の申請を受理するよう日本政府へ要求したという。

 西村あさひ法律事務所によれば、台湾政府は日本の弁護士資格を承認しており、日本政府が台湾の弁護士資格を承認しないことは、明らかなWTO(世界貿易機関)規定違反だと指摘している。

 つまり、WTOが定めた外国法事務弁護士に関する規定には、「外国法事務弁護士の資格を申請するには、その弁護士の所属する国家(台湾)が、申請先の国家(日本)と国交があるかどうかは関係なく、所属国(台湾)がWTO加盟国であればそれで足りる」とされており、台湾はWTO加盟国なのだから、日本の法務省が孫弁護士の申請を却下することはWTO規定違反だというもの。

 一年半の努力を経て、法務省はついに今年4月11日、孫弁護士の登録申請を許可。昨日(5月28日)には宣誓が行われ、正式に日本における外国法事務弁護士資格を取得するとともに、東京第一弁護士会会員となった。

 孫弁護士に交付された「外国法事務弁護士登録通知」の国籍欄には「台湾」と記載され、「原資格国」欄にも「台湾」と記載されている。

 孫弁護士は宣誓の際に代表として挨拶し、日本政府が台湾の弁護士を外国法事務弁護士として登録してくれたことに感謝するとともに、この承認は日台間の法律分野における相互理解の第一歩であり、重要な意義を持っている、などと話した。

 孫弁護士は日本政府承認の外国法事務弁護士となり、今後は日本において開業することも可能だ。また、日本国内での訴訟においても、日本の弁護士を介することなく、依頼人に直接法律上の見解を提供することが出来るなど、台湾の弁護士が日本において活躍する端緒となるだろう。
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by ritouki | 2014-06-03 16:43 | イベント
 本日午後4時より、公益財団法人交流協会台北事務所の地下一階ホールにて、平成26年春の叙勲で「旭日双光章」を受章された蔡焜燦先生への叙勲伝達式が執り行われました。
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 蔡焜燦先生は長年連れ添ったおばあちゃんとともに出席。また、ご家族や親戚、たくさんの台湾歌壇のお仲間、そして羅福全・元駐日大使ご夫妻や許世楷・元駐日大使ご夫妻、陳南天・台湾独立建国聯盟主席、李雪峰・台湾高座会会長らそうそうたるメンバーが駆けつけました。

 伝達式はまず、大橋光夫・交流協会会長による祝辞を樽井澄夫大使が代読してスタート。長年にわたり蔡焜燦先生が尽力されてきた日台交流への貢献を、蔡先生が詠んだ和歌を取り上げつつ紹介しました。
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 続いていよいよ叙勲の伝達。まずは御名御璽と安倍晋三総理大臣の署名が入った「勲記」が樽井大使から授与されます。引き続き、蔡先生の胸に勲章が付けられると、面映ゆそうに会場の皆さんへ披露されました。
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 そして蔡先生のスピーチ。もともと、スピーチ原稿を提出してほしいと交流協会側から要請があったそうですが、「とてもじゃないが文字に出来るような感動ではない。この感激は原稿になどできない。とにかく『感慨無量』なんだ」とお話しされました。
 そして「ここまで長生きできたのも食事が良かったおかげ。ずっと食事を作ってきてくれたおばあちゃんにも拍手をお願いします」と、苦労を共にしてきたおばあちゃんを労いました。
 「とはいえ、まだまだ私にはやることが残っている。日本の若者たちに台湾というものを教えていかなきゃいけない。そして台湾の若者たちには日本というものを教えなきゃならない。まだまだ死ねません。皆さん、どうもありがとう、これからも一緒にがんばっていきましょう」と締めくくりました。
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 ただ、蔡先生のおしゃべりは止まりません。「そういえば君が代は歌わないの?この前の大相撲で優勝した白鵬、国歌斉唱のとき口を真一文字にして歌ってなかったよ。あの野郎、テレビ越しでもなんでもぶっ飛ばしてやりたいよ。じゃあ皆さん君が代歌いましょう。台湾歌壇の李英茂さん、こっちへ来て指揮しなさい」ともはや蔡焜燦節絶好調。

 会場の全員で君が代を斉唱し終えると、李英茂さんが「日本万歳!天皇陛下万歳!」。蔡先生から「こらこら、台湾万歳を忘れちゃいかん」ということでもう一度「台湾万歳!」。
 さらに蔡先生が一言。「手のひらを見せるのはバンザイじゃなくて降参だ。本物のバンザイはこう!」
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 記念撮影の段になり、檀上から会場をぐるりと見渡す蔡先生。やおら「こりゃビックリした!なんでですか!」と驚きの声。会場には、お祝いのため今朝の便で台北へ駆けつけたという明石元紹氏の姿がありました。明石元二郎・第7代台湾総督のお孫さんであり、今上陛下が最も親しくされる御学友でもあります。

 思いもよらないサブライズに蔡先生の声も震え気味。「なんて悪い人だ。年寄りをびっくりさせて」と大感激されたご様子です。
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 樽井大使ご夫妻、ご家族や親戚、来賓、台湾歌壇のお仲間などと記念撮影が行われていきます。ところで蔡先生が写真におさまるときは、レンズから顔をそむけている場合がほとんどです。決して斜に構えているわけではありません。
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 「台湾の白色恐怖時代を生き延びてきた我々は本能的に写真というものが怖いんだよ。あの時代、冤罪だろうがでっち上げだろうが、誰かが特務にパクられたとする。パクられた奴と私が一緒に写っている写真があったらもうそれだけでお陀仏なんだよ。だから、なるべくなら写真を撮られたくない、という恐怖が今でも抜けず、無意識にレンズから顔をそむけてしまうんだ」。台湾の多くの人々がそういう時代を生きてきたのです。
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 伝達式は1時間ほどで無事に終了。
 通常であれば、叙勲伝達式当夜、陽明山中腹にある交流協会台北事務所代表官邸で祝賀晩餐会が開かれるのがならわしとなっていますが、「今回の叙勲は、支えてきてくれた皆さんのおかげ」という蔡焜燦先生ご自身の希望もあり、蔡先生が皆さんを招待するというかたちとなりました。
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 国賓飯店とならんで「蔡家の台所」でもある兄弟飯店で、蔡先生自慢の台湾料理がテーブルに並びます。
 「世界一美味しい」台湾の老酒での乾杯でスタートした祝宴には総勢70人近くが出席。2時間あまりの祝宴はあっという間に過ぎ、午後8時すぎにお開きとなりました。
 でもやっぱり最後はまた「手のひらを見せるのはバンザイじゃなくて降参だ。本物のバンザイはこう!」。
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 蔡焜燦先生もおばあちゃんもこれからもずっとお元気で。
 今回の叙勲、誠におめでとうございます。
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by ritouki | 2014-05-28 23:22 | イベント
本日、春の叙勲が発表となり、われらが「老台北」蔡焜燦先生に旭日双光章が贈られることになりました。謹んで衷心よりお祝いを申し上げます。
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 昨年春には李雪峰先生、秋には許文龍先生が叙勲され、満を持しての叙勲です。

 伝達式は5月28日(水)午後4時から、交流協会台北事務所にて行われるとのことです。伝達式の模様もこのブログ上でお知らせしたいと思います。

 今回、台湾からは蔡焜燦先生のほか、中央研究院院士の廖一久氏(廖了以・前亜東関係協会会長の兄)ら全部で4名が受章したほか、旭日大綬章に葛西敬之・JR東海名誉会長、瑞宝重光章に池田維・元交流協会台北事務所代表ら、台湾に縁の深い方々のお名前も見えます。

 蔡焜燦先生、そして長年連れ添い、蔡先生を支え続けてきたおばあちゃん、改めておめでとうございます。
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(昨年3月26日、産経スカラシップで来台した受賞者の歓迎晩餐会でおばあちゃんと)
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(親子三代、息子さんとスカラシップ受賞のお孫さんに囲まれて)
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(4月29日付の産経新聞朝刊「きょうの人」欄より)
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(4月30日付の産経新聞「産経抄」より)
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by ritouki | 2014-04-29 03:23 | イベント
 李登輝総統が初めて総統の座に就いたのは1988年1月のことでした。前年7月には戒厳令が解除され、民主化への帯同が聞こえ始めたその矢先、年明け1月15日に蒋経国総統が急逝します。そしてその夜には憲法の定めにより、李登輝副総統が総統へと昇格し、就任の宣誓を行ったのです。

 とはいえ、蒋介石・蒋経国親子による統治が長らく続いた台湾においては、初めての台湾人総統の誕生です。もともと学者出身で、蒋経国総統の抜擢によって政界に入った経緯もあり、国民党内に派閥もなければ後ろ盾となる大物政治家の存在もありません。情報機関も軍も掌握しておらず、まさに孤独な船出となったのでした。

 そうした不安に苛まされていた頃、李登輝総統は家族で台北近郊の観音山へと登山に出掛けます。1988年11月13日のことでした。
 李登輝総統と曽文恵夫人、亡き長男の嫁の張月雲さん、そしてまだ幼かった孫娘の坤儀さんの4人は、1キロあまりの山道を歩き、やっとの思いで山頂に到達します。しかし、山頂に立った李総統が感じたのは「頂上は思ってもいなかったほど狭い。四方には険しい崖が迫り、自分はいま非常に危険な場所に立っている」という恐怖でした。

 そして、「こうした場所では誰一人助けてくれる者はいない、自分以外に頼れるものはない。これは私が総統として、最終的な決断をするときの感覚と同じだ」と感じたといいます。そして「総統の決断というものは、実際にそれほどの恐怖を伴うものなのだ」と述べています。

 こうした指導者としての「孤独」と「恐怖」を克服するためにはどうすればいいのか。李総統は、次のように語っています。
 「これまで私は事あるごとに、指導者は信仰を持つべきだと主張してきた。それは、人間は信仰を持つことによってはじめて『心の弱さ』というものを理解するからだ。
 中国の歴史上、最高権力を手にした皇帝はみな自分を『寡人』、つまり孤独だと称した。総統もまた権力の頂点であり、頼れるものは自分以外にはない。すべての人が私の出す答えを待っているからだ。
 指導者たるもの常に孤独と向き合わなければならない。特に大きな責任を負う決断をしなければならない場合、戦慄するほどの恐怖に襲われることさえある。
 そのためには心の拠りどころとなる信仰が必要だ。私はクリスチャンであるからキリスト教を信じるが、信仰の対象は宗教に限らない。自分より大きな存在に縋ることが心の安寧をもたらすのだ」。
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 この日、観音山の山頂で撮った家族写真が残されています。上坂冬子さんの『虎口の総統李登輝とその妻』には李総統が孫娘に向かって「おじいちゃんは長い長い道のりを一歩ずつ踏み固めて、いま山頂に上り詰めたんだよ。おじいちゃんの周囲には寄りかかれるものが何一つない。いつかまた、一歩ずつ踏み固めてここから下りていかなければならないと思っている」と語りかけたと綴られています。

 そしてこの写真を元にして画家の呉炫三氏が描いたのが下の油絵です。曽文恵夫人は「写真には私も嫁も写っていたのだけど、構図として邪魔だから削られた」と苦笑しながら語っています。
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 「四囲不依靠(周囲には寄りかかれるものが何もない)」という孤独な総統の座にありながら、信仰を心の依りどころとして台湾の民主化を進めた李登輝総統は、2000年、「台湾の民主化をアピールするためにも、自分は総統選挙に出馬せず、他の人に任せたい」と権力を自ら手放しました。
 結果、民進党の陳水扁候補が総統選挙に勝利したことで平和的な政権交代が実現し、台湾の民主化は世界にアピールされることとなったのは皆さんご承知のとおりです。
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by ritouki | 2014-04-25 18:32 | イベント
 李登輝総統が4月23日午前、台南市内の長栄桂冠酒店で「第二次民主改革の始動」と題する講演を行った。その席上、第四原発建設中止を訴えてハンストに入った林義雄氏についてコメントしたが、その発言がメディアによって曲解され誤解を招いているとしてFacebookを通じて声明を発表した。日本語訳は下記の通り。
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 昨日(4月23日)に台南で講演した際、私は原子力発電事故への対応を例に挙げ、指導者は人民の声に耳を傾けるべきだと述べた。

 この講演に関する報道で、私の「(第四原発建設中止を訴えてハンストを始めた)林義雄氏の意見に同意する人がどれだけいるだろうか」「原子力発電を放棄した場合、それに代わる発電方法は何か」「原子力発電がなくなったら我々の生活に必要な電力はどう確保すればよいのか」といった発言が報じられたが、誤解を招かないよう、より明確な説明をしたいと思う。

 福島で原発事故が発生して以後、世界中で原発の安全性についての再検討が進められたが、隣国である台湾では特に強烈な反応を引き起こした。
 「第四原発」の建設を中止すべきか否か、人民が最も憂えているのは安全の問題であり、生命に対する脅威の問題である。

 「無原発社会」は、林義雄氏がこれまで長らく主張してきたことであり、林氏が第四原発建設中止を求めてハンストすることを決定したのであれば、指導者たる者は人民の声に耳を傾け、人民がどのような意見を持っているか、多くの人民が林氏と同じような憂慮や主張を持っているかを聞くべきである。そして、第四原発の建設を中止するか否かは、人民が直接決定するよう委ねるべきである。

 仮に、最終的に民意が第四原発建設中止を選んだのであれば、政府は思考を一歩進め「原子力発電を放棄した場合、それに代わる発電方法は何か」「原子力発電がなくなったら我々の生活に必要な電力はどう確保すればよいのか」などの課題について積極的に対応策を練らなければならない。

 例えば、以前から私が提言している次のような方法が考えられる。
 1、台湾電力の民営化を進め、六地域に分割することで営業コストを下げ、南北間の送電ロスを抑えて発電効率を上げる。
 2、現在、台湾国内で20万ヘクタール以上ある休耕地を利用し、バイオエネルギーの原料を栽培する。

 さらに、他の専門家が提案する太陽光、風力、水力、地熱などの代替エネルギー方式の利用や、再生エネルギーの発電比率を向上させると同時に、再生エネルギーの新技術研究への奨励政策を推し進め、エネルギー節約の広報を強化することで、これまでのエネルギー配分の構造改革を行わなければならない。   

 最後に、私の「原子力発電」に対する立場を明らかにしておきたい。
 私は、危険度も汚染度も高いウラニウムを原料とした第四原発には反対だ。
しかし、このウラニウムを使った方式が唯一の原子力発電の方式ではない。より安全で汚染度の低いトリウムを使った原子力発電方式の研究を考えるべきだ。

 ここで私は強調しておきたい。
 人民こそが国家の主人である。人民が第四原発の安全に対して憂慮しているのであれば、政府は民意に耳を傾け、最終的な決定を人民に委ねるべきだ。
同時に、指導者は社会の各界とともに積極的にあらゆる解決法策を模索する義務がある。

 以上のような内容こそが私の発言の真意である。私の発言の真意を理解しようともせず、その一部分だけを取り上げて自分の主張のために利用するのであれば、その行為は結果的に人民の意思をねじ曲げることになり、非常に遺憾である。
 また、指導者が人民の声に耳を貸さず、耳障りのいい話ばかりを聞きたがるのであれば、民主政治にとって災難としかいいようがない。

   李登輝
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by ritouki | 2014-04-24 16:04 | イベント
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 24日目を迎えた「太陽花学運(ヒマワリ学運)」の立法院占拠は、本日午後6時をもって立法院から撤退すると声明を発表している。
 占拠している学生グループのなかには、撤退に反対し、占拠を継続すると表明しているグループもあるようだ。また、撤退に際し、警察による拘束を防ぐため、支持する人たちは6時までに立法院前に集合して欲しいという声明も発表されている。

 本日午後、李登輝元総統はフェイスブックを通じ、声明を発表した。
 声明では、馬英九総統に対し、サービス貿易協定反対はもはや社会のコンセンサスになりつつある、と状況を正視するよう強く求めている(日本語訳は弊事務所)。

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 ヒマワリ学運の努力は24日を数え、今夜彼らは立法院から退出する。今後は全国的な草の根組織運動を展開するという。

 この学生運動はすでに台湾の民主主義の将来と発展に多大なる影響を与えたものと私は確信する。人民こそが国家の主人であるということを学生たちは実践躬行で示したのだ。

 民主主義とは、投票を済ませてしまえば後は指導者や民意代表の思うままに任せるものではない。より重要なのは人民が積極的に参加し、絶えず監視していくことにある。これはまた、「台湾第二の民主化」を進めるうえでの目標でもある。今回の学生運動は、全世界に対して台湾の民主主義を見せつけたことであろう。

 ヒマワリ学運の活動を通じ、明らかになったのはグローバル規模の貿易自由化は、決して利益ばかりでなく、失われるものがないなど有り得ないということだ。政府には、人民全体に対する説明責任があり、耳障りのいい言葉でオブラートに包んだような説明をするべきではない。また、台湾経済が過度に中国に依存していることにより、人民は将来の生活に対して不安を抱く原因となっている。

 中国に対しては、将来の両岸の経済協議にせよ政治協議にせよ、密室協議は決して受け入れられるものではなく、台湾の未来は台湾の人民によって決せられるものだということを伝えるべきである。

 ここで馬英九総統には強く伝えたい。一連の学生たちの行動は、国家や社会、政治的安定のためのものであり、即座に広く社会からの支持を得ている。これはもはや、学生たちの行動が一部の抗議運動というものではなく、広く国家を巻き込んだ積極的な意思表示だと理解するべきだ。

 台湾の指導者として、この一連の行動を単純な法律問題として処理するのではなく、国家の発展のため、指導者は自分自身で積極的に矢面に立って解決する努力をするべきである。

 明日から、この改革のエネルギーは台湾全土に散らばり、草の根の公民運動を通じ、政治への全民参加、政府の政策決議に対するより厳重な監視を促すと同時に、さらには憲政改革へのコンセンサスをまとめるエネルギーにもなるだろう。これらは私たちが共同で努力していかなければならない目標であり、私も皆さんと共に努力していく所存である。

 台湾へ、皆さんへ、神のご加護を。   李登輝


 太陽花學運經過24天的努力,今晚他們將走出立法院,展開全國的草根組織動員行動。

 我必須肯定,這場學運已經對台灣民主的未來發展產生巨大影響,學生用行動宣示人民才是真正的國家主人,民主不是投票後,就放任領導者或民意代表亂來,更重要的是人民積極的參與及不斷的監督,這也是台灣必須進行第二次民主改革的目標。而透過這場活動,也讓全世界看到民主的台灣。

 這場學運一方面凸顯全球貿易自由化不可能只有獲益而沒有損害,政府有責任讓全民瞭解,不應該一味的美化欺騙;同時國家經濟過度依賴中國,也已經造成人民對未來生活的憂慮;另方面也向中國傳達,未來不管是兩岸經濟協議或是任何政治協商,都不容私相授受,台灣的未來是由台灣人民決定。

 我也必須強烈提醒馬總統,這次學生為了國家、社會及政治安定挺身而出,迅速獲得社會廣泛支持,這已不僅是學生的個別反抗,更是整個國家的積極反思。作為一個國家領導者,不能將這件事當作單純的法律問題進行追究,為了國家的發展,領導者有義務出面解決問題,而不是一再撕裂傷口!

 明天起,這股改革的力量將散播到台灣各地方,透過草根的公民運動,加強全民參與決策跟嚴格監督政府的意志,進一步凝聚憲政改革的共識,這就是未來大家要共同打拚的目標,我會跟大家一起努力。

 祝大家平安、台灣加油!    李登輝
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by ritouki | 2014-04-10 16:39 | イベント
 李登輝元総統は今年1月21日、高雄日本人会・高雄日本人学校の招きにより、「新渡戸稲造と私」と題する講演を行いました。

 「台湾糖業の父」とも言われる新渡戸稲造がいなければ、台湾とくに南部高雄の今日の発展はなかったであろうという観点から新渡戸の業績を讃えると同時に、ご自身と新渡戸の出会いについても語っています。

 以下、ご自分と新渡戸の出会いについて語った部分をご紹介します。

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 台北高等学校在学中、トマス・カーライルの『衣服哲学』を英語の原書で読まされるという授業がありました。日本語訳を少しだけ引用してみましょう。

 「このようにして『永遠の否定』は、私の存在の、私の自我の、隅々まで命令するように響き渡っていたが、私の全自我が神に創造された本来の威厳を備えて立ち上がり、力強くその抗議を述べたのはその時だったのである。」

 日本語訳でも非常に難解な文章ではありませんか。しかし当時、「自我」や「死ぬということ」について答えを求め続けていた私には、その大意がじんじんと身に沁みて来るのを感じたのです。もっともっと深く知りたいという衝動に駆られた私は、台北市内の書店や図書館を歩きまわり、内外の関連書を読みあさりましたが、「これは」というものに出会うことが出来ず途方にくれていたのです。

 そんなある日、台北市内で最大の公立図書館で偶然に手にとったのが一冊の講義録でした。かつて台湾総督府に在籍し、台湾の製糖業発展に多大な貢献をした新渡戸稲造による講義録です。

 新渡戸は毎年夏、台湾の製糖業に従事している若きエリートたちを軽井沢に集めて特別ゼミを開いていたことがあり、その中心教材としてカーライルの『衣服哲学』が取り上げられていたのでした。すでに黄色く変色したその「講義録」を手にした時、私は思わず飛び上がって喜びました。そして、何度も何度も読み返しているうちに、原書では十分に咀嚼しきれなかった「永遠の否定」から「永遠の肯定」への昇華を明確に理解していくことが出来たのです。

 懇切丁寧な講義録を精読することにより、私が少年時代から常に見つめ続けてきた自分の内面にある「人間はなぜ死ぬのか」「生きるとはどういうことなのか」というメメント・モリ、つまり死生観に対する苦悩が氷解していきました。

 この時、新渡戸稲造という日本人の偉大さに心底感服したことを覚えています。そしてこの感激は私自身の進路にも大きな影響を及ぼしました。

 1942年の春、かつて新渡戸が専攻していた「農業経済」という新しい学問分野を私も究めてみたいと望むようになり、迷うことなく進学先を京都帝国大学農学部農林経済学科と決めたのです。

 大学進学と前後して、新渡戸の農業経済学における代表的論文『農政講義』をはじめ、あらゆる著書や論文を洗いざらい読み込みましたが、その過程で、ついに出逢ったのが、国際的にも大きな評価を得ている『武士道』でした。これにより、私はよりいっそう新渡戸稲造に心服するようになりました。

 「日本人は如何にして道徳教育を施しているのか」という問いに答えるかたちで日本人の精神を解き明かした『武士道』の著者が、その一方で、西洋哲学の大家による難解な哲学書を解き明かしていることに大きな度量の深さを感じ、まさに「国際人」として新渡戸が持つ世界の広さに感銘を受けたのでした。

 その意味で、後藤新平が私にとって「リーダーとしての先生」であるならば、新渡戸稲造は「人生の先生である」と言えるでしょう。
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 この講演原稿のなかで言及されている「ある日、台北市内で最大の公立図書館で偶然に手にとった一冊の講義録」というのが、昭和13年に研究社から出版された「新渡戸先生講演 衣服哲学」なのです。

 編者である高木八尺・東京帝国大学教授のまえがきによれば、軽井沢夏期大学と称したセミナーにおける講義速記録を文字に起こしたものということです。

 当時の価格は2円、奥付には著作権者として新渡戸の養女、新渡戸琴子の名前が見えます。
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by ritouki | 2014-04-07 19:10 | イベント
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 どうにも違和感を感じる。
 まずはツイッターのまとめサイトをご覧いただきたい。
 http://togetter.com/li/644477

 木坂麻衣子さんと聞いてもピンと来る人はあまりいないだろう。だけど、東日本大震災で台湾が贈ってくれた世界一の義援金や救援物資などの支援に対し、ときの民主党政権が諸外国の新聞に掲載した感謝広告の対象から台湾を外したことに疑問を感じ、ツイッターで『謝謝台湾』の新聞広告募金を呼びかけた人、と言えば思い出す人も多いのではないだろうか。

 3月19日、彼女はツイッター上で「現在、台湾で学生による国会占拠。んで、なぜか私のところに「日本にできることはないのですか?」的なメッセージ来るんですが(たいがいはこの学生達を応援しよう的な)。それ、立派な内政干渉ですから」とつぶやき、ちょっとした騒ぎになっている。

 そもそも内政干渉とは、主権を行使しうる立場にある者が外国の政治に口出しすることを指すわけだから、「太陽花学運(ヒマワリ学運)」の学生たちによる立法院占拠を日本人が応援しようが、3月30日の50万人参加とも言われるデモに日本人が参加しようが全く内政干渉にはあたらない。

 ただ、それ以上に違和感を感じてしまうのは、震災の際に物心両面で支援してくれた台湾への感謝広告を政府が外したことに憤りを感じて新聞広告募金の音頭をとった彼女が、なぜバッサリと「それ、立派な内政干渉ですから」と切り捨ててしまうのかということだ。

 確かに、中台サービス協定には、台湾国内でも賛成派と反対派に分かれ、今も立法院を舞台にして攻防が続く政治問題である。

 だから、仮に日本人の中にも、サービス協定賛成派を応援する人もいていいだろうし、反対派の学生たちを支援する日本人がいたっていいと思う。もちろん、台湾のことに無関心な人もいるだろう。

 ここで言いたいのは、自分が台湾のことに関心がなく、興味もなく、台湾人の声に応える気がないのならば黙っていることだ。

 人の数だけ正義が存在するとお考えであれば、台湾人の「日本の皆さん助けて」という反対派の呼びかけに答えようとする日本人もいるだろうし、賛成派を支援してやろうという日本人もいるということは自明であろう。

 サービス協定に賛成か反対か、どちらが良い悪いという問題でなく、「義を見てせざるは勇なきなり」と意気に感じて行動する日本人の神経を逆撫でするような発言をする必要はないということだ。

 残念なのは、「謝謝台湾」広告の音頭をとって、結果的に台湾の人たちから感謝までされたのに、いくら政治的な問題だからといってバッサリ切り捨てず、もっと他に書きようがなかったのかという気がしてならない。

 ご自分がもはや台湾のことに関心がないのならばそれで結構だが、他人の行動まであげつらう必要があるか、「人の数だけ正義は存在する」のではないのか。
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by ritouki | 2014-04-03 18:38 | イベント