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台北在住の筆者(早川友久)が、台北に残された日本統治時代の古蹟や遺構をはじめ、台湾に関わる記事を掲載します。


by ritouki
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# by ritouki | 2014-11-01 11:13 | イベント
 財団法人交流協会は6月17日、理事の改選を行い、樽井澄夫・台北事務所代表(駐台大使に相当)の退任と、後任として沼田幹男・前ミャンマー大使の就任を決めました。
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 樽井代表は2012年5月から約2年にわたり台北事務所代表を務められ、代表退任後は東京の交流協会本部で業務執行理事に就任されます。

 また、後任となる沼田幹男氏は1950年、茨城県生まれの64歳、拓殖大学商学部卒、チャイナスクール(中国語研修)出身。2011年、ノンキャリアからキャリア登用によって外務省初の局長に就任。香港領事、外務省領事局長、ミャンマー大使を歴任しています。

 沼田代表は7月15日付で着任。
# by ritouki | 2014-06-18 10:21 | イベント
 5月29日付の台湾紙「自由時報」に、「日本政府が台湾の弁護士資格を承認」という記事が掲載されました。

 これまで日本政府は「前例がない」「日本と台湾は国交がない」などという理由によって、台湾の弁護士資格を有していても、日本における「外国法事務弁護士」資格を認定して来ませんでした。

 「外国法事務弁護士」とは、外国の弁護士資格を持つ人を法務省が認定し、日本国内において法曹行為(弁護士活動)が出来るようにした制度です。この資格が認定されれば、諸外国の弁護士資格を有する人も日本国内で弁護士活動を行ったり、法律事務所を開設したりすることが可能となります。

 反面、この資格が認定されなければ、たとえ外国の弁護士資格を有していても、日本国内では弁護士資格がないとみなされ、一切の弁護活動が出来ません。

 実際、台湾政府は日本の弁護士資格を承認し、日本の弁護士が台湾国内で活動することを認めており、少数ながらも、日本の法律事務所が台湾へ進出しています。

 こうした状況は、日本人が台湾へ入国する際はノービザだったのに対し、台湾人が日本へ入国する場合はビザが必要とされた時期が長く続いたように、台湾に対して一方的に不利益を与えるものでした。

 しかし今般、台湾の弁護士資格が日本政府によって承認され、外国法事務弁護士資格が付与されたことにより、日台間の不動産売買や企業進出、大規模投資など、法律分野においてますます台湾人弁護士が日本で活躍する場が増えることになるかもしれません。

 以下は記事の抄訳です。
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 台湾出身の女性弁護士、孫櫻倩さんが一年半の努力と交渉により、ついに日本の法務省から正式に「外国法事務弁護士」として登録され、昨日(5月28日)午後、東京で宣誓が行われた。また、同時に日本弁護士会に加入する資格も得られたことで、今後、日本国内で台湾人弁護士が業務を行う道が開かれたことになる。

 孫櫻倩弁護士は、台湾大学法律系卒業後、東大で修士を取得。その後、日本最大級の弁護士事務所「西村あさひ法律事務所」に入所し、10年以上にわたって日台間の企業間投資や合併の案件に携わってきた。

 2012年末、孫弁護士は法務省へ外国法事務弁護士の登録申請を行ったが、日本政府は「これまで台湾の弁護士資格を認めたことがない」として申請を却下される。ただ、日本政府が却下としたのは「日本政府は台湾を承認していない」というのが本当の理由だったようだ。そのため、西村あさひ法律事務所では特別対策チームを結成し、孫弁護士の申請を受理するよう日本政府へ要求したという。

 西村あさひ法律事務所によれば、台湾政府は日本の弁護士資格を承認しており、日本政府が台湾の弁護士資格を承認しないことは、明らかなWTO(世界貿易機関)規定違反だと指摘している。

 つまり、WTOが定めた外国法事務弁護士に関する規定には、「外国法事務弁護士の資格を申請するには、その弁護士の所属する国家(台湾)が、申請先の国家(日本)と国交があるかどうかは関係なく、所属国(台湾)がWTO加盟国であればそれで足りる」とされており、台湾はWTO加盟国なのだから、日本の法務省が孫弁護士の申請を却下することはWTO規定違反だというもの。

 一年半の努力を経て、法務省はついに今年4月11日、孫弁護士の登録申請を許可。昨日(5月28日)には宣誓が行われ、正式に日本における外国法事務弁護士資格を取得するとともに、東京第一弁護士会会員となった。

 孫弁護士に交付された「外国法事務弁護士登録通知」の国籍欄には「台湾」と記載され、「原資格国」欄にも「台湾」と記載されている。

 孫弁護士は宣誓の際に代表として挨拶し、日本政府が台湾の弁護士を外国法事務弁護士として登録してくれたことに感謝するとともに、この承認は日台間の法律分野における相互理解の第一歩であり、重要な意義を持っている、などと話した。

 孫弁護士は日本政府承認の外国法事務弁護士となり、今後は日本において開業することも可能だ。また、日本国内での訴訟においても、日本の弁護士を介することなく、依頼人に直接法律上の見解を提供することが出来るなど、台湾の弁護士が日本において活躍する端緒となるだろう。
# by ritouki | 2014-06-03 16:43 | イベント
 本日午後4時より、公益財団法人交流協会台北事務所の地下一階ホールにて、平成26年春の叙勲で「旭日双光章」を受章された蔡焜燦先生への叙勲伝達式が執り行われました。
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 蔡焜燦先生は長年連れ添ったおばあちゃんとともに出席。また、ご家族や親戚、たくさんの台湾歌壇のお仲間、そして羅福全・元駐日大使ご夫妻や許世楷・元駐日大使ご夫妻、陳南天・台湾独立建国聯盟主席、李雪峰・台湾高座会会長らそうそうたるメンバーが駆けつけました。

 伝達式はまず、大橋光夫・交流協会会長による祝辞を樽井澄夫大使が代読してスタート。長年にわたり蔡焜燦先生が尽力されてきた日台交流への貢献を、蔡先生が詠んだ和歌を取り上げつつ紹介しました。
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 続いていよいよ叙勲の伝達。まずは御名御璽と安倍晋三総理大臣の署名が入った「勲記」が樽井大使から授与されます。引き続き、蔡先生の胸に勲章が付けられると、面映ゆそうに会場の皆さんへ披露されました。
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 そして蔡先生のスピーチ。もともと、スピーチ原稿を提出してほしいと交流協会側から要請があったそうですが、「とてもじゃないが文字に出来るような感動ではない。この感激は原稿になどできない。とにかく『感慨無量』なんだ」とお話しされました。
 そして「ここまで長生きできたのも食事が良かったおかげ。ずっと食事を作ってきてくれたおばあちゃんにも拍手をお願いします」と、苦労を共にしてきたおばあちゃんを労いました。
 「とはいえ、まだまだ私にはやることが残っている。日本の若者たちに台湾というものを教えていかなきゃいけない。そして台湾の若者たちには日本というものを教えなきゃならない。まだまだ死ねません。皆さん、どうもありがとう、これからも一緒にがんばっていきましょう」と締めくくりました。
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 ただ、蔡先生のおしゃべりは止まりません。「そういえば君が代は歌わないの?この前の大相撲で優勝した白鵬、国歌斉唱のとき口を真一文字にして歌ってなかったよ。あの野郎、テレビ越しでもなんでもぶっ飛ばしてやりたいよ。じゃあ皆さん君が代歌いましょう。台湾歌壇の李英茂さん、こっちへ来て指揮しなさい」ともはや蔡焜燦節絶好調。

 会場の全員で君が代を斉唱し終えると、李英茂さんが「日本万歳!天皇陛下万歳!」。蔡先生から「こらこら、台湾万歳を忘れちゃいかん」ということでもう一度「台湾万歳!」。
 さらに蔡先生が一言。「手のひらを見せるのはバンザイじゃなくて降参だ。本物のバンザイはこう!」
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 記念撮影の段になり、檀上から会場をぐるりと見渡す蔡先生。やおら「こりゃビックリした!なんでですか!」と驚きの声。会場には、お祝いのため今朝の便で台北へ駆けつけたという明石元紹氏の姿がありました。明石元二郎・第7代台湾総督のお孫さんであり、今上陛下が最も親しくされる御学友でもあります。

 思いもよらないサブライズに蔡先生の声も震え気味。「なんて悪い人だ。年寄りをびっくりさせて」と大感激されたご様子です。
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 樽井大使ご夫妻、ご家族や親戚、来賓、台湾歌壇のお仲間などと記念撮影が行われていきます。ところで蔡先生が写真におさまるときは、レンズから顔をそむけている場合がほとんどです。決して斜に構えているわけではありません。
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 「台湾の白色恐怖時代を生き延びてきた我々は本能的に写真というものが怖いんだよ。あの時代、冤罪だろうがでっち上げだろうが、誰かが特務にパクられたとする。パクられた奴と私が一緒に写っている写真があったらもうそれだけでお陀仏なんだよ。だから、なるべくなら写真を撮られたくない、という恐怖が今でも抜けず、無意識にレンズから顔をそむけてしまうんだ」。台湾の多くの人々がそういう時代を生きてきたのです。
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 伝達式は1時間ほどで無事に終了。
 通常であれば、叙勲伝達式当夜、陽明山中腹にある交流協会台北事務所代表官邸で祝賀晩餐会が開かれるのがならわしとなっていますが、「今回の叙勲は、支えてきてくれた皆さんのおかげ」という蔡焜燦先生ご自身の希望もあり、蔡先生が皆さんを招待するというかたちとなりました。
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 国賓飯店とならんで「蔡家の台所」でもある兄弟飯店で、蔡先生自慢の台湾料理がテーブルに並びます。
 「世界一美味しい」台湾の老酒での乾杯でスタートした祝宴には総勢70人近くが出席。2時間あまりの祝宴はあっという間に過ぎ、午後8時すぎにお開きとなりました。
 でもやっぱり最後はまた「手のひらを見せるのはバンザイじゃなくて降参だ。本物のバンザイはこう!」。
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 蔡焜燦先生もおばあちゃんもこれからもずっとお元気で。
 今回の叙勲、誠におめでとうございます。
# by ritouki | 2014-05-28 23:22 | イベント
本日、春の叙勲が発表となり、われらが「老台北」蔡焜燦先生に旭日双光章が贈られることになりました。謹んで衷心よりお祝いを申し上げます。
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 昨年春には李雪峰先生、秋には許文龍先生が叙勲され、満を持しての叙勲です。

 伝達式は5月28日(水)午後4時から、交流協会台北事務所にて行われるとのことです。伝達式の模様もこのブログ上でお知らせしたいと思います。

 今回、台湾からは蔡焜燦先生のほか、中央研究院院士の廖一久氏(廖了以・前亜東関係協会会長の兄)ら全部で4名が受章したほか、旭日大綬章に葛西敬之・JR東海名誉会長、瑞宝重光章に池田維・元交流協会台北事務所代表ら、台湾に縁の深い方々のお名前も見えます。

 蔡焜燦先生、そして長年連れ添い、蔡先生を支え続けてきたおばあちゃん、改めておめでとうございます。
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(昨年3月26日、産経スカラシップで来台した受賞者の歓迎晩餐会でおばあちゃんと)
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(親子三代、息子さんとスカラシップ受賞のお孫さんに囲まれて)
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(4月29日付の産経新聞朝刊「きょうの人」欄より)
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(4月30日付の産経新聞「産経抄」より)
# by ritouki | 2014-04-29 03:23 | イベント