秋恵文庫台湾歴史文物館
2010年 10月 15日
今夜は、一足先に台湾入りした方々と、ライターの片倉佳史さんを囲んでの食事会。
まずは永康街の「呂桑食堂」で、「宜蘭料理」を堪能。こちらのお店は通常、「台湾料理レストラン」と紹介されることがほとんどですが、宜蘭料理と台湾料理はひと味もふた味も違います。ぜひ皆さんもお試しあれ!
片倉さんの楽しいお話しに耳を傾けながらお腹がふくれた一行は、同じく永康街にあるカフェ「秋恵文庫」へ。エレベーターを下りると、目の前には数々のポスターや地図。そしてドアを開けると、中には台湾のいわゆる骨董品がズラリと並んでいます。

こちらのオーナーは林于昉さん。今日はお会いできませんでしたが、本業が歯科医の林さんは東京医科歯科大学で学んだため、日本語がプロペラだとか。確かにこちらのお店に展示されている物はほとんどが日本時代のもの8割、国民党が台湾へ逃げ込んで来てからのものが2割といったところでしょうか。「党歌を聞く時は起立しましょう」なんていう、まさに国民党独裁の時代を思わせる代物も。

ほかにも「新高山登山指南」とか「大東亜戦争・時局啓蒙教育ポスター」、毛筆書きで注釈が付けられた「八田ダム写真張」なんていうものも。なんといっても収蔵量が多くて、とても写真だけではお伝えしきれません。

そしてカウンターの下には珍しいものが。どこか西洋風ですが、片倉さんの解説によるとこれらは「マジョリカタイル」と呼ばれる装飾用に作られたタイルだとか。日本国内で主に生産され、最盛期の昭和初期には上海や台湾をはじめ、東南アジア諸国へ広く輸出されたそうです。ただ、和製マジョリカタイルは高級品だったため、富裕層にしか手が届かない品物でした。当時のマジョリカタイルがこれだけ良い状態で保存されているのは珍しいそうです。

こちらのお店はカフェになっていて、店内の展示物を眺めたり、台湾関連の書籍(かなり充実しています)を読みながらコーヒーやハーブティーを楽しむことができます。信義路沿いのビルとは思えないほど静かで落ち着いた雰囲気の中、レトロな気分に浸りながら、私たちも片倉さんのお話しに耳を傾けました。

お店は午前11時から午後9時まで(月曜休み)。場所は永康街と麗水街の交差点にあります。まだオープンして半年あまりのこのお店、台北の新名所となりそうな予感です。
秋恵文庫
台北市信義路二段178號3樓
TEL02-2351-5723


