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台北在住の筆者(早川友久)が、台北に残された日本統治時代の古蹟や遺構をはじめ、台湾に関わる記事を掲載します。


by ritouki

どこの牛でしょう?

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 「あー、あそこにあるやつでしょ」と思いだした方はかなりの台湾通でしょう。

 この写真は、日本時代に刊行された台湾総督府殖産局の月刊機関誌『台湾の山林』昭和12年1月号の巻頭。当時、この青銅製の牛は台湾神社の境内に置かれていました。

 実はこの牛の来歴は謎に包まれていて、昭和10年(1935年)の台湾始政40周年記念博覧会の開催時に満州国の皇帝溥儀から中川健蔵・第16代台湾総督へ贈られたものという説と、やはり同じ昭和10年に北海道の仏教団体「弘安海」が、五稜郭の戦いで犠牲になった軍人を弔うため、満洲国で鋳造して台湾神社に奉納されたという二説があります。ただ、資料不足のため真偽は定かではないというのが実情のようです。

 この牛は現在、国立台湾博物館(二二八公園の中)の正面入口広場に安置されています。
by ritouki | 2011-07-15 22:22 | イベント