どこの牛でしょう?
2011年 07月 15日
「あー、あそこにあるやつでしょ」と思いだした方はかなりの台湾通でしょう。
この写真は、日本時代に刊行された台湾総督府殖産局の月刊機関誌『台湾の山林』昭和12年1月号の巻頭。当時、この青銅製の牛は台湾神社の境内に置かれていました。
実はこの牛の来歴は謎に包まれていて、昭和10年(1935年)の台湾始政40周年記念博覧会の開催時に満州国の皇帝溥儀から中川健蔵・第16代台湾総督へ贈られたものという説と、やはり同じ昭和10年に北海道の仏教団体「弘安海」が、五稜郭の戦いで犠牲になった軍人を弔うため、満洲国で鋳造して台湾神社に奉納されたという二説があります。ただ、資料不足のため真偽は定かではないというのが実情のようです。
この牛は現在、国立台湾博物館(二二八公園の中)の正面入口広場に安置されています。