第17回・李登輝学校 第4日
2012年 04月 29日
まずは午前中に苗栗の獅頭山勧化堂に劉添維さんを訪ねます。大東亜戦争さなかの昭和20年2月、劉さんが所属する海軍巡査隊は、フィリピンのマニラにおいて米軍に対して総攻撃せよ、との命令を受けます。しかし、玉砕が目に見えていると判断した指揮官の広枝警部は部下の台湾人たちに向かい「命を大切にして、生きて台湾へ帰るように」と話し、自分は「責任は私がとる」と2月23日に自決されました。
命拾いして台湾へ帰ることができた劉さんをはじめとする部下たちは、昭和51年、こちらに広枝警部の位牌を作って祀ったのです。
その後、レストランで客家料理のランチ。
そして午後は今回、新竹県北埔郷南坑村にある「台湾の靖国神社」こと南天山済化宮を訪問しました。本堂わきのお堂のなかには、大東亜戦争に従軍して散華されたおよそ3万柱の台湾人の位牌が置かれています。
地域ごと、字画ごとに整然と並べられた位牌棚は、遺族が見つけやすいようにという配慮からでしょか。まるで図書館のように整理されたお堂からは、英霊が大切に祀られている様子が伝わってきます。中にはもちろん李東輝元総統の御兄上の位牌もありました。
南天山を後にすると、バスはさらに走り、最後の野外研修場所となる桃園神社へ。台湾で唯一といってもいいほど、本殿や境内がほぼ完全に残されている神社跡です。
野外研修を終え、台北市内で解散。今夜は自由行動のため、参加者は思い思いの場所へと出掛けていきます。明日はいよいよ最終日、李登輝元総統の登場です。