木坂麻衣子さん「学生たちへの応援は立派な内政干渉」
2014年 04月 03日
どうにも違和感を感じる。
まずはツイッターのまとめサイトをご覧いただきたい。
http://togetter.com/li/644477
木坂麻衣子さんと聞いてもピンと来る人はあまりいないだろう。だけど、東日本大震災で台湾が贈ってくれた世界一の義援金や救援物資などの支援に対し、ときの民主党政権が諸外国の新聞に掲載した感謝広告の対象から台湾を外したことに疑問を感じ、ツイッターで『謝謝台湾』の新聞広告募金を呼びかけた人、と言えば思い出す人も多いのではないだろうか。
3月19日、彼女はツイッター上で「現在、台湾で学生による国会占拠。んで、なぜか私のところに「日本にできることはないのですか?」的なメッセージ来るんですが(たいがいはこの学生達を応援しよう的な)。それ、立派な内政干渉ですから」とつぶやき、ちょっとした騒ぎになっている。
そもそも内政干渉とは、主権を行使しうる立場にある者が外国の政治に口出しすることを指すわけだから、「太陽花学運(ヒマワリ学運)」の学生たちによる立法院占拠を日本人が応援しようが、3月30日の50万人参加とも言われるデモに日本人が参加しようが全く内政干渉にはあたらない。
ただ、それ以上に違和感を感じてしまうのは、震災の際に物心両面で支援してくれた台湾への感謝広告を政府が外したことに憤りを感じて新聞広告募金の音頭をとった彼女が、なぜバッサリと「それ、立派な内政干渉ですから」と切り捨ててしまうのかということだ。
確かに、中台サービス協定には、台湾国内でも賛成派と反対派に分かれ、今も立法院を舞台にして攻防が続く政治問題である。
だから、仮に日本人の中にも、サービス協定賛成派を応援する人もいていいだろうし、反対派の学生たちを支援する日本人がいたっていいと思う。もちろん、台湾のことに無関心な人もいるだろう。
ここで言いたいのは、自分が台湾のことに関心がなく、興味もなく、台湾人の声に応える気がないのならば黙っていることだ。
人の数だけ正義が存在するとお考えであれば、台湾人の「日本の皆さん助けて」という反対派の呼びかけに答えようとする日本人もいるだろうし、賛成派を支援してやろうという日本人もいるということは自明であろう。
サービス協定に賛成か反対か、どちらが良い悪いという問題でなく、「義を見てせざるは勇なきなり」と意気に感じて行動する日本人の神経を逆撫でするような発言をする必要はないということだ。
残念なのは、「謝謝台湾」広告の音頭をとって、結果的に台湾の人たちから感謝までされたのに、いくら政治的な問題だからといってバッサリ切り捨てず、もっと他に書きようがなかったのかという気がしてならない。
ご自分がもはや台湾のことに関心がないのならばそれで結構だが、他人の行動まであげつらう必要があるか、「人の数だけ正義は存在する」のではないのか。