昨年秋に、瑞宝双光章を叙勲された林さんのお取り計らいで、大使公邸(交流協会台北事務所代表公邸)で開かれたお祝いの晩餐会にお招きいただいたのです。またとない折角の機会ですので、喜んで出席させていただきました。

公邸は陽明山の中腹。窓からは台北市内の夜景を望むことができます。厳かな雰囲気で始まった晩餐会は、公邸お抱えのシェフによるフレンチ。お祝いの席ということで終始和やかな雰囲気で、大使ご夫妻からも楽しいお話しをたくさん伺えました。
晩餐会を終え、外に出ると、日中は暖かかったものの、やはり山の中腹なので少し冷気が身にしみました。望んでもなかなか叶うことではない機会を下さったのも、本当に私が人の縁に恵まれているからこそ、と改めて感謝せずんはいられません。


李登輝元総統のお誕生日は1月15日で、あと5日もすれば90歳を迎えることになります。
ただ、総統ご自身は新暦ではなく農暦(旧暦)で祝うことを習慣にされているようで、これまで農暦の11月29日を誕生日として祝ってきたそうです。今年の農暦11月29日にあたるのが本日で、農暦で数えると92歳を迎られます。
誕生日に際し、総統からは「寿桃」が配られ、私もご縁あってお相伴にあずかりました。「寿桃」とは、中華圏の風習で、誕生日を迎えた人が配る、桃をかたどったお祝いの饅頭のことです。
その昔、仙境といわれた崑崙山には不老長寿の桃があり、3000年に一度しか実をつけなかったとか。そして、崑崙山の主人である西王母が、この桃が実ったのを祝って祝宴を開いたという故事から「寿桃」が生まれたようです。
とはいえ、現実の台湾社会は折りからの不況と、馬英九政権の迷走で決して景気のいい話ばかりではありません。聯合晩報の報道によれば、李登輝元総統は「苦しい国民の生活を思えば誕生日を祝う気にはならない」と話しており、祝宴も開かないということです。




